糖質制限ダイエットの注意点と実践方法

ダイエット

「絶対に痩せたい!けど、運動は苦手だし、忙しくてジム通いも無理・・」
そんな方にとって、食事内容を工夫するだけで痩せられるダイエットは魅力的にうつるのではないでしょうか。

 

なかでも数年前から人気があるのが、「糖質制限ダイエット」です。実際に病院の食事療法としても採り入れられているこの方法は、日々の食事からご飯やパンなどの主食を抜くだけで簡単に効果が出ると話題になっています。

 

糖質制限ダイエットは、おなかいっぱい食べることができるダイエット方法として注目を浴びている一方で、正しい方法を取らないと身体に悪影響を及ぼす危険性があるとも言われていますが(一歩間違えるとかえって激太りしてしまうばかりか、健康を損なってしまう危険性もあるんです。)、ダイエットに成功した人が多いのも事実です。

 

筆者の身の回りにも、糖質制限でダイエットに成功し、約90kgから約80kgの10kgの減量に成功した男性も。そこで、今回はそんな糖質制限の実践の仕方とその注意点をまとめいこうと思います

そこで、今さら聞けない糖質制限ダイエットのメカニズム・注意点・実践方法について、まとめました。

 

 

■糖質制限ダイエットとは

糖質制限ダイエットをざっくり説明すると、「糖質を摂らないようにして脂肪の蓄積を防ぎ、今ある脂肪の燃焼を促す方法」ということになります。

もともと医療現場で糖尿病治療法として行われていたため、痩せるだけではなく糖尿病予防にもなるとして注目を集めています。

太る食べ物、と聞いたとき、イメージしやすいのは油でこってりしたラーメンやポテトチップスなどですよね。でも実は、太る原因は油ではなく、麺やポテトに含まれる糖質にあるんです。

 

 

■糖質制限ダイエットでなぜ痩せるのか

以前の栄養学では、「カロリーを制限する=減量方法として効果がある」とされていました。しかし、肥満のメカニズムが解明されるにつれ、血糖値の上昇が肥満の原因になるとわかってきました。

 

エネルギー源である糖質は私たちの生命活動に欠かせない栄養素ですが、一度に沢山摂ると脂肪に変えられ備蓄されていきます。この仕組みはエネルギー不足時の活動を支える為に必要なものですが、エネルギー過多の状況が続くと脂肪がどんどん溜まっていって太ってしまうのです。

反対に糖質が不足すると、体は備蓄分の脂肪を燃やしてエネルギーを作り出します。

寝ている時も体には一定量のエネルギーが必要になるので、糖質制限をすれば確実にエネルギーが不足し、脂肪を燃やせるというわけです。

具体的な糖質制限の方法としては次の通りです。

・糖質を多く含む主食(ご飯やパン、パスタなど)を半分量に減らす
・その他、糖質の多い食べ物を控える(イモ類やコーンフレークなど)
・主食のカロリーが減った分を他の糖質の少ない食品で補う

 

この3ステップによってすぐに効果が出始め、早い人だと1週間で2~3キロ落ちたという例も少なくありません。

 

 

■糖質制限ダイエットのメカニズム

 

糖質制限ダイエットは読んで字のまま「糖質を制限するダイエット」となります。普段から摂取する食品から糖質を取り除いた食生活にするということです。

ダイエットに関わる栄養素としては主に「糖質・脂質・タンパク質」を挙げることができますが、なぜ糖質を制限すると痩せるのか、という疑問にはまず逆に「糖質はどのように脂肪になるのか」を知る必要があります。

 

そのメカニズムは以下のような話となります。

・糖質は分解されブドウ糖となり血管内を巡る
・ブドウ糖が多くなるとすい臓からインスリンが分泌される
・インスリンはブドウ糖を脂肪に変換する。また、インスリンは脂肪分解を阻害する
・ふとる…!

つまるところ、栄養素の中でも取り分け糖質は脂肪を蓄えやすくしてしまうものだと言えるわけです。非常時やジャングル生活などのときには是非欲しい栄養素ですが、好きなものを食べられる環境においてはできるだけ遠慮したい栄養素となります。

では「糖質制限ダイエットをすればいいじゃないの」となるのは自然な流れですが、糖質を制限することはリスクに繋がる行動でもあるのです。

 

 

■糖質が不足することで変調をきたすことも

 

糖質を最も必要とする器官と言えば脳です。脳は糖質を分解してできたブドウ糖を原料としてえっさほいさと働いてくれています。そのため、極端な糖質制限が開始されてしまうと脳に今まで補給できていたエネルギーが送れなくなってしまうわけです。

すると何も考えられないで「ほけーっ」とするようになるかというと、それはちょっと異なります。体がどうにかしてエネルギーを作り出そうと脂質からケトン体というものを脳に送り始めるのです。

このケトン体、ブドウ糖の代わりとなって脳のエネルギー源になってくれるのですが、吐き気や失神を起こすこともあるのであまり歓迎したくない存在と言えます。いわば非常用の食料といったところかもしれません。

また、糖質を摂取しないということはその分、他の栄養素が過剰に摂取されることになるかもしれません。糖質を制限する分、ほかの食物を摂取するということは自然な話です。

ですが例えば脂質を過剰に摂取すれば血中内における脂質の濃度は高まりますし、タンパク質が多すぎると処理するために臓器の負担が増してしまいます。

 

糖質を摂取することをやめることであらゆるバランスが崩れ体のシステムが来るってしまうわけです。

もちろんこうした症状は糖質をかなり際どくカット、もしくは完全にカットした場合に起こる症状です。普段から必要以上の量を摂取している場合に制限することはダイエットに役に立つでしょう。

ただやり過ぎると取り返しのつかない状況になるかもしれない、ということは把握しておくべきです。

 

 

■血糖値の上昇と肥満の関係

 

糖質が多い食材には、米飯・パン・芋類・麺類・根菜・果物・スイーツがあります。糖質は身体の中で「ブドウ糖」に分解され、血管に入って身体中に巡っていきます。

血液中のブドウ糖は、エネルギー源として利用され、濃度は一定に保たれています。この血液中のブドウ糖を一般的に「血糖」と呼び、その濃度を「血糖値」で表します。

食事をとると、誰しも血糖値が上昇(=血液中のブドウ糖の量が増加)します。血糖値が上がると、身体に悪影響が及ぼされるためそれを下げるためのホルモン「インスリン」が分泌されます。

インスリンは、血糖値を下げる際に余分な糖質を脂肪に変えるため、別名「太るホルモン」とも呼ばれています。糖質制限ダイエットは、血糖値の上昇原因となる糖質の摂取量を減らし、脂肪を作るインスリンを抑えることによって減量を目指すダイエット方法です。

 

 

■要注意!糖質制限ダイエットの危険性

 

【1】エネルギー不足でふらふらに!?

 糖質とカロリーを混合しがちですが、減らすのは糖質だけでカロリーは減らさなくて大丈夫です。

 むしろ、カロリーは減らしてはいけません。カロリーは私たちのエネルギー源であり、毎日の生活にはエネルギーが必要です。

 おかずの量はそのままで主食だけを抜いてしまうと、主食の分のエネルギーが不足してふらふらしたり、頭がぼーっとしてしまったりする危険性があります。

いつもの食事から主食を抜いた分、エネルギーを補うために他のおかずの量を増やしてしっかりとカロリーを摂取しましょう。

 

 

【2】なんだかイライラしてしまう···

 糖質制限ダイエットを始めてすぐは、主食を食べることができずイライラすると言う方もいらっしゃいます。忙しい時期などイライラを避けるべき時には、糖質制限ダイエットをしない方が良いでしょう。

 特に、妊婦や授乳中の母親は、極度な糖質制限ダイエットの体重減少によって胎児や赤ちゃんに届く栄養が減ってしまう原因となります。さらに、育児中はストレスをためる方も多く、主食を食べることができない糖質制限ダイエットによってさらにイライラすることは、精神衛生上よくありません。

どうしても実践したい場合には、1食だけ主食を食べないなど無理のない方法で行いましょう。

 

 

【3】引き締まった身体は糖質制限ダイエットでは手に入らない

 糖質制限ダイエットは、前述の通り「脂肪をつきにくくするダイエット法」です。引き締まった身体は、脂肪が極端に少ないわけではなく、筋肉によって適正な脂肪も支えられて成り立ちます。糖質制限ダイエットでは、筋肉をつけることはできません。

 適正体重よりも痩せているにもかかわらず、お腹がぽっこりしているため「ダイエットをしなくては!」と気にしている方もいるのではないでしょうか。

そのような方には、糖質制限ダイエットよりも、運動をすることで筋肉をつけて引き締めることをおすすめします。過剰に痩せようとして糖質制限ダイエットを行うと、エネルギーが不足してしまい、めまいや免疫力が下がるなど身体を壊してしまう危険性があります。

 

 

【4】長期的に糖質制限食で生活した場合どうなるのかわかっていない

 長期的に糖質制限食で生活した場合に、人体にどのような影響が出るのかはまだわかっていません。糖質制限ダイエットを長期間取り組むことは、危険も潜む未知の世界と言えます。目標体重を決めて取り組み、達成した後は血糖値をあげない食事方法(後述)で適正な糖質量を食べるようにしましょう。

 

 

糖質制限ダイエットの落とし穴とは?

 

糖質制限ダイエットは一見とても分かりやすく簡単に思えますが、安易に始めると思わぬ落とし穴に陥ることがあります。

 

1. 食べてはいけないものが意外に多い

いくら主食を減らしても、他の食品から糖質を摂取してしまうと効果が出にくくなります。食事内容には常に気をつけておかなくてはなりません。

例えば、エビフライやトンカツなどの揚げ物には大量のパン粉が使われています。糖分の沢山入った野菜ジュースやスポーツドリンクも良くありません。

「主食を抜いているから大丈夫」と思い、かえってこういった食品を食べ過ぎてしまうこともあるので気をつけましょう。

 

 

2. リバウンドの危険性がある

糖質制限ダイエットは一旦始めたら、約3か月は継続しなければなりません。なぜかというと、1か月程経つと体がいわゆる「省エネルギー」の状態になり、少しのエネルギーで活動できるようになるからです。

この時期に食事内容を元に戻してしまうと、エネルギーが大量に余り、蓄積される脂肪の量が前よりも多くなってしまうのです。糖質制限ダイエットによって激太りしてしまうことがあるのはこういうわけです。

 

 

3. 体調を崩しやすくなる

ご飯やパンなどの食品には、消化器の調子を整える食物繊維も含まれています。減った分の食物繊維を他の食品で補うようにしなければ、腸内環境が乱れて肌荒れや体調不良を引き起こしてしまうおそれがあります。

以上のように、一見簡単そうに思える糖質制限ダイエットには様々な危険が潜んでいます。行う際にはこのようなリスクをふまえておく必要があります。

 

 

■血糖値をあげない食事方法

 

 血糖値の上昇が肥満の原因であるというのは前述の通り。裏を返せば、血糖値の上昇を緩やかにすることで太るホルモン「インスリン」の分泌を抑え、ダイエット効果を期待することができます。

 

【1】しっかり噛み、時間をかけて食事をとる

 ゆっくりと時間をかけて食事をとることで、食後の血糖値の急上昇を防止することができます。また、よく噛むことは満腹感を得やすくなるため、比較的楽に食事の量を減らすことができます。

 

【2】食べる順番は「先におかず、最後に主食」で。

 いきなり主食を食べるのではなく、野菜や豆類・肉類を先に食べると血糖値の上がり方が緩やかになります。緩やかに血糖値を上がるため、脂肪を作るインスリンの過剰な分泌を防ぐことができます。

 

【3】食物繊維をとる

 食物繊維は便秘予防のイメージが強いですが、血糖値上昇の抑制や血液中のコレステロール濃度の低下などの効果が明らかになっています。豆類・きのこ類・藻類・果物に多く含まれています。

充分に摂取できているかの目安は「一日に一回、規則的に排便があること」と言われていますが、現在ではほとんどの日本人が不足しているといわれています。

しっかりと摂取しましょう。ただし、糖質制限ダイエットでは糖類の多い果物や芋類は避けることをおすすめします。

 

 

■糖質制限ダイエットの実践方法3パターン

 

 血糖値をあげない食事方法に加え、そもそも1日に摂取する糖質を減らすことでより強いダイエット効果を期待できます。一般的な実践方法を3つご紹介します。

 

【1】プチ糖質制限食:夕食だけ主食を食べない

 夕食だけ主食(米飯・パン・麺類)を食べない食事制限方法です。もちろん、芋類・根菜・果物・スイーツなどの糖質の多い食べ物は避けます。食事の際は、できるだけゆっくりと時間をかけて食べることで血糖値の上昇を抑えましょう。

 1食しか主食を抜かないので強い効果は期待できませんが、ストレスなくダイエットを実践したい方に向いている方法です。 

 

【2】スタンダード糖質制限食:朝食·夕食は主食を食べない

 朝食、夕食の2食は主食(米飯・パン・麺類)を食べない方法です。昼食の1食のみ主食を食べます。もちろん、プチ糖質制限食と同様に、芋類・根菜・果物・スイーツなどの糖質の多い食べ物は避け、できるだけゆっくりと時間をかけて食事をとりましょう。効果が期待できて継続もしやすいので、取り組む人が多い実践方法です。

 

【3】スーパー糖質制限食:朝食·昼食·夕食とも主食を食べない

 朝食、昼食、夕食の3食とも主食(米飯・パン・麺類)を食べない方法。プチ糖質制限食と同様に、芋類・根菜・果物・スイーツなどの糖質の多い食べ物も避け、ゆっくりと時間をかけて食事をとりましょう。主食を食べることができない分、エネルギー不足になりやすいので、他のおかずで補うことも忘れずに。

 

 もっとも効果が出やすい糖質制限ダイエットの方法ですが、裏を返せば身体への負担がかかりやすい制限方法です。適正体重まで痩せた後は、スタンダード糖質制限食やプチ糖質制限食に切り替えることが望ましいでしょう。

冒頭にあげたダイエットに成功した男性も当初3ヶ月は3食とも主食を抜き、10kg程痩せてからはプチ糖質制限食でキープしているそうです。(本人談)

 

 

■糖質制限食に注意したい食べ物

【1】糖質が多いのは、甘いものだけではない!

 甘いお菓子やスイーツは、当然糖質が多いことはイメージできますが、おせんべいやおかきなどの甘くないお菓子も糖質がたくさん含まれている食品です。「どうしてもおやつは食べたい!」と言う方は、おやつ昆布などで代用してはいかがでしょうか。

 

【2】野菜でも、芋類や根類は糖質が多い!

 糖質が少ないイメージの野菜でも芋類や根類は糖質が多く含まれています。例えば、じゃがいも・さつまいも・かぼちゃ・とうもろこしがこれに当たります。「野菜をたっぷり食べるつもりでポテトサラダを食べた」なんてことにならないよう、芋類や根類も糖類が多いことをしっかり覚えておきましょう。

 

【3】糖質が少なくても、食べ過ぎ注意!

 いくら糖質が少ないからと食べ過ぎてしまうと「塵も積もれば山となる」。充分に気をつけましょう。

 

 

■糖質制限ダイエットで健康的に痩せるコツとは?

 

簡単に始められるとはいえ、健康を損なうリスクもある糖質制限ダイエット。健康を損なうことなく成功させるコツは以下の通りです。

 

1. 主食を減らした分は、肉や魚類で補う

ご飯やパンを減らした分は他の食品で補う必要がありますが、野菜や豆腐などはカロリーが低いので大量に食べなくてはなりません。食べごたえがないとどうしてもストレスになってしまいます。

かといっておかず類を増やしてしまうと、意外に糖質が含まれていた・・ということも。

肉や魚類は糖質が少なく、カロリーもしっかり摂れるのでおすすめです。

 

 

2. 日常的に簡単な筋トレをする

糖質制限をすると、体内では脂肪だけでなく筋肉からもエネルギーを補おうとします。このため筋肉が痩せて基礎代謝が落ちていきます。

この状態だと食事内容を元に戻したときに確実にリバウンドしてしまいますが、糖質の摂取を抑えるとともに筋肉を鍛えることで基礎代謝量を保つことができます。

 

忙しい人でも簡単にできるエクササイズのひとつが「早歩き」。普通に歩くよりも脚の筋肉が鍛えられ、体のバランスを保つために上半身の筋肉も鍛えることができます。

 

また、短時間でできる筋トレとしておすすめなのが「スクワット」。一回の動きをなるべくゆっくり行うことで筋肉に負荷がかかり、少ない回数でも効果が期待できます。

 

 

3. 難消化性デキストリンを有効活用し、食物繊維を補う

 

主食を減らすことで不足しやすいのが食物繊維です。これを他の食品で補うのは結構大変ですよね。そこでおすすめなのが、トウモロコシから抽出された食物繊維の一種である「難消化性デキストリン」なんです。

 

難消化性デキストリンは特定保健用食品の飲料によく含まれている成分で、食事による糖の吸収を抑え、かつ腸を整える効果があります。

トクホ飲料を買うという手もありますが、粉末になったものを安く買うことができるのでそちらがおすすめです。

 

コーヒーやお茶に混ぜたりしても味が変わらず、手軽に食物繊維を摂ることができますよ。

 

まとめ

糖質制限ダイエットの落とし穴とコツについてまとめましたが、いかがでしたか?

糖質制限ダイエットは急激に体重を落とすことができる魅力的な方法です。ですがそれも少しタネがあったりします。栄養素のうちでも体の中で糖質を維持するために水分が大量に必要で、糖質制限をすることでその水分が抜け落ちているだけだったりするのです。

糖質制限ダイエットは簡単に始められるものの、リバウンドや体調不良などにつながるリスクもある方法です。

 

今回紹介した成功の秘訣を参考にして健康的にシェイプアップしましょう。

 

大きなリスクもある糖質制限ダイエットなので、行うときは慎重にやっていきましょう。専門家の判断を仰ぐのが一番です。自分でやる場合には余り固執せずに、制限と言うよりもむしろ「食べ過ぎるのを止める」ぐらいの気持ちで望む方が良いでしょう。

 

糖質制限ダイエットの秘訣をマスターして健康的に痩せよう!

エス

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辛かった時、周りの人に言えない性格で、名もなきサイトに救われました。このことを実感して私も誰かの心の重りを少しでも軽くできるように頑張って更新します。 初め...

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