まさかと思ったら!?知ってるようで分かっていない更年期障害

まさかと思ったら!?知ってるようで分かっていない更年期障害
美容・健康

更年期障害は、女性なら誰もが通る道かもしれません。

児童を口うるさく叱る50歳代の教師のことを、小学校5年生の子どもが「きっと更年期障害でイライラしてるんだよ」などと言っているくらいですから、「更年期障害」という言葉は子供でも知っています。

しかし、実際にどのようなものなのかを知識として正確に理解できている人は、少ないのではないでしょうか。

更年期障害の症状はなんと、200以上もあると言われています。そのため、40歳代や50歳代に起きる体の不調を「ああ、これはきっと更年期障害のせいだわ」と、何でもかんでも更年期で片付けてしまっているケースや、体調不良の陰に隠れている病気を見逃がしているケースもあります。

更年期障害について、理解を深めましょう。

 

【更年期障害とはどういうものを言うのですか?】

<45~55歳が要注意>

閉経する前後5年間を更年期と呼んでいます。日本人の平均的な閉経年齢は50歳なので、45歳から55歳くらいまでを更年期という訳です。

閉経すると、今まで活発に分泌されていた女性ホルモンの分泌が激減します。そのために、様々な体調の変化を来します。この体調の変化に心身が付いていくことができなくなり、体調不良を生じるのが更年期障害です。

<症状は、200以上もある>

45歳から55歳くらいの女性の約9割が、何らかの体調不良を感じているというデータがあります。更年期障害の患者さんは、全国で500万人もいると言われているので無理もない話でしょう。

しかし、更年期障害であるにも関わらず実際に治療を受けている人は4割ほどしかいない、という調査報告もあるのです。日本人特有の我慢強さが、こんなところにも表れているのでしょうか。また、子供の事や介護の事などで忙しくて、自分の身体の事はついつい後回しになってしまうのかもしれません。

更年期障害の症状は200以上もあるので、全身どこに症状が出てもおかしくはありません。

そのため中には、月曜日は腰痛で整形外科行き火曜日は内科へ金曜日は婦人科へと、1人でいくつもの診療科を受診している人もいます。最初のうちは通院していても、そのうちに「お金もかかるし、もういいわ」と通院をやめてしまう人も少なくないようです。

 

【どんな症状が更年期障害なの】

200以上も症状があるので掴みどころがないという感じも拒めませんが、比較的よくみられる症状もあります。特によく見られる15の症状をチェックしてみましょう。

①顔や上半身がほてる、②びっくりするくらいの汗を掻く、③寝つきが悪くなった、④やたらイライラする、⑤不安感が強い、⑥体がだるい、⑦憂うつだ、⑧関節痛
⑨心臓がドキドキして動悸がする、⑩物忘れ、⑪肩こりがひどくなった ⑫頭痛、⑬腰痛、⑭手足の冷え、⑮めまい

これらの症状を見ていると、だれでも疲れたらそれくらいの事はあると言った物や風邪をひいた時にもあるような、漠然としたものが多いことがわかるでしょう。しかし、いつまでも良くならない時や、いつもの頭痛とは何だか違うという時は要注意です。どんな病気にも言えることですが、2週間以上続く時は受診するのが、一つの目安です。

市販の鎮痛剤のパッケージにも、「3~5日程服用しても痛みなどの症状が改善されない時は、服用を中止して、医師の診察を受けてください」と記載されていますが、多くの人が長期連続して服用しているのではないでしょうか?

<間違いやすい病気、陰に隠れて見つけにくい病気>

更年期障害だと思っていたら違っていた、という経験がある人も少なくありません。ずっと体調不良が続いていて、更年期障害だろうと思っていたけど、友達に勧められて思い切って大学病院で診てもらったら膠原病だったとか、甲状腺の病気だったというケースもあります。

膠原病と言うのは、自己免疫疾患の1つです。本来はバイ菌やウイルスなどの外敵をやっつけるはずの免疫機能が、何らかのシステムエラーを起こして、自分自身(自己)を攻撃してしまう病気です。全身性エリテマトーデスや堀ちえみさんが患っている関節リウマチや、菊池桃子さんが患われているシェーグレン症候群と言う病気が、膠原病に含まれます。これらは圧倒的に女性に多いのですが、専門医が診察しないと見つけにくい疾患だと言えます。

微熱が続く、関節が痛い、倦怠感が続いている、起床時に指がこわばる、パンやビスケットを食べる時に飲み物がないと口の中がモゾモゾして食べにくい(口が渇く)、ドライアイが酷い等の症状がある場合は、何でもかんでも更年期のせいだと決めつけずに、膠原病科のある病院を受診しましょう。

また、橋本病などの甲状腺の病気も女性に圧倒的に多いのです(9割が女性です)。しかし、レディースドックでも甲状腺をチェックする検査項目が入っていないことも少なくありません。やたら寒いと言った症状や食べてないのに太って来た、体温が低くなっているなどの症状がある場合は、かかりつけ医で採血をしてT3やT4と言う項目や抗Tg抗体だけでも調べて貰うと良いでしょう。

<更年期障害の治療>

治療は、少なくなった女性ホルモンを補ってあげることです。つまり、ホルモン補充療法が第一選択です。

以前は、ホルモン補充療法を行うと乳癌のリスクが上がると言われていました。ネットなどで調べると、ホルモン補充療法を行うと乳癌になりやすい、といった感じで書かれていることもあります。しかしその後の研究や調査では、1万人に1人くらいの割合でアップする程度だという事が分かりました。

内科と整形外科に通っていた人や複数の診療科に通っていた人が、婦人科でホルモン補充療法を始めてからは改善したというケースも多いです。

医療情報は、「いなかもち」で見てください。
「い」:いつ書かれたものか、「な」:何の目的で書いているのか、「か」:書いた人は誰か、「も」:元ネタ(出典)は?、「ち」:違う情報もあるのではないか、違う情報の方が正しいのではないか、の「いなかもち」です。

そして、薬を使う事のメリットとデメリットを天秤にかけて考えましょう。医師は、メリットの方がずっと上回るから、薬を使うのです。

ホルモン補充療法には、シールのように体に貼るタイプやジェルを塗るタイプもあります。こういったタイプなら、薬と言う感じがあまりしないので抵抗感も少ないでしょう。エストロジェルは、大手の化粧品会社が販売しているのですよ。

ホルモン補充療法がどうしてもいやだという人は、漢方薬などもあります。

つらいのに我慢していては、それがストレスになってしまします。そしてストレスが、ますます痛みを誘発することもあります。更年期障害かな?と思ったら、婦人科へ行きましょう。

 

【まとめ】

・日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳で、その前後5年間である45~55歳くらいを更年期と言います。
・更年期は女性ホルモンの分泌が急激に減るので、それが体調不良の一因となっているようです。
・更年期障害の症状は200以上もあります。
・更年期障害と間違われやすい疾患で見つけにくい病気には、膠原病や橋本病があります。
・更年期障害の治療は、ホルモン補充療法や漢方薬が使われています。
・体調不良が続いて更年期かな?と思う時は婦人科を受診しましょう。

エス

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辛かった時、周りの人に言えない性格で、名もなきサイトに救われました。このことを実感して私も誰かの心の重りを少しでも軽くできるように頑張って更新します。 初め...

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